2010-08-03 津川武一 生誕100年シンポジウム・記念講演会
_ 7月末の新聞の文芸欄に『津川武一生誕100年に寄せて』の記事を発見し「どうしても行きたい」の一心で,津軽・弘前に行ってきました。
太宰治とは旧制弘前高校、東京帝国大学で同級生、津川は精神科医で作家(1955年、『農婦』読売新聞小説賞佳作入選、『過剰兵』サンデー毎日大衆文学賞入選)、青森県から始めての日本共産党衆議院議員として今から41年前の1969年から5期13年活動した方です。
_ 津軽の出稼ぎ農民の東京の宿舎を聴診器を持って訪問し、検診しながら農民の要求を聞き、国会で取り上げるなど津軽の農民から信頼と尊敬されていた国会議員でした。
_ 太宰治生誕100年の行事が各地で催される中、地元では「太宰と交流のあった津川武一の生誕100年の催しを行なおう」と、実行委員会がつくられ今回手の『津川武一生誕100年 シンポジウムと記念講演会』となったそうです。
_ 精神病学の専門の医師であり作家である津川は精神病学と小説の接点を研究し、「太宰ほど自殺を繰り返した作家はいない」「太宰ほど自殺に失敗した作家もいない」「太宰ほど自殺を小説にした作家もいない」とその著書にまとめています。
_ 講演は元衆院議員・弁護士の松本善明氏、「自殺の文学のなかの生の文学ーある側面から見た太宰治論」は新しい角度からの太宰治研究として聴き応えのあるものでした。
_ 「斜陽」の主人公(かず子)のモデル太田静子と太宰の娘である作家の太田治子さんからメッセージが寄せられていました。
_ 帰りの駅で買い求めた「東奥日報」の、津川生誕100年の記事には「地域の文学発展の種をまいた人」「民衆のためという一貫した態度は多くの人が学ばなければならない」が掲載されていました。
_ 今も津軽の民衆の中に生きる、「津川武一」に触れることができた旅でした。




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