2010-01-17 明るい方へ
_ 昨年12月、三鷹9条の会が主催した「戦後日本の出発点と作家たち」で買い求めていた、太宰治の娘で作家の太田治子さんの著書「明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子」を一気に読みました。いや、一気に読まされたという感じでした。
_ 太宰治は昨年生誕100年、太宰への関心が高まる中で書かれた本で、大宰ファンの方も含め、多くの方に読んでもらいたい本です。
また、太宰文学を知らない人も、興味のない人にも「時間があったら読んでみたらどうでしょう」とすすめてみたくなる本です。
_ 著者は父・太宰治が『新郎』の中で、日本の侵略戦争に対し「軍部の言うことを自分は全部信じている。国民はおとなしくついていくべきだ」、敗戦直後にも「親も負けそうなけんかに子どもが味方するのは当たり前」の発言を批判しています。
_ 新聞の文芸欄に太田治子さんは「戦後、太宰がわが身をさらし者にするような作品を書き続け、死にたいという衝動に駆り立てられていった原因の一つには、自らの戦争責任への耐え難い罪悪感があったのではないか」と語っています。
ぜひ、一読をお勧めします。図書館にあるのでは?

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